徳と富と労働と
- watanabetateguten
- 2021年2月16日
- 読了時間: 2分
こちらの投稿を拝見して思ったことです
ぼくも生存権(教育や医療、社会保障)に関わる領域が、日銀が作り出すお金で誰もが平等に得られるようになれば、そんな機会をつくる制度設計がされれば魅力的だなと思います
受ける側の権利保障だけでなく、供給する側の権利保障もです。例えば、教師の労働環境の改善や、医師不足解消への取り組み等。
権利という言葉を使うとまた印象が変わってきてしまうのだけれど。
そうなると制度設計を担う官僚の労働環境改善も同時進行になるのか、と遠い目で見てしまいますが。
増税とインフレで株価=現代の経済構造を支えようとしたと言われているアベノミクス
NISAやiDeco、預金から運用へといった掛け声からも、株主重視というより、株持ち重視の視点を垣間見ます
国や証券会社といった体制側にとっては、過去の高金利に幻想を抱くような定期預金なんかせず1,000円/月からでも運用しろということなのだけど、
その1,000円すら苦しいという人の姿をそれらの言葉の中に見出すことができません
餓死している人や親子心中のニュースを見たり、以前から言われている谷底型社会の実状を知るたび、日銀が作り出すお金で教育や医療、生活保護が無料となる=日本に適したBIが確立されたら良いのにと思わずにはいられません。
ちょうど今読んでいるポール・メイソン著ポストキャピタリズムの3章で、「モノが豊富にあるのに、危機が訪れるかもしれない」と書いたマルクスのこと、その後の世代であるヒルファーディング、ルクセンブルクのことが取り上げられています。
しかし著者はマルクスの危機論は不完全であり理論的欠陥があるとし、第6章では労働価値説の再考をテーマに書いています。
第10章ではBIについても。ポスト資本主義プロジェクトにおけるベーシックインカムは、労働と賃金と分離した形をとり、労働時間をより短くする移行期での補助金となる。と記されています。今まさに起きていること。
そしてBIは、人類学者デイビット・グレイバーがくだらない仕事=ブルシットジョブと呼ぶものへの対抗手段となり、賃金そのものがサービスを集団で提供する形でますます社会的なものになるか、消滅するかのどちらか。したがってポスト資本主義の方策として、ゼロに縮小することが成功とみなされる人類史初の社会保障制度ということになると書いています。
ぼくにとっては、ネットに溢れているお気楽な陰謀論のようにさらっと読めるものではありませんが、読み進めるのが楽しい一冊です
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