アフリカと中国
- watanabetateguten
- 2021年2月20日
- 読了時間: 2分
ナシーム・ニコラス・タレブは雇われ人を奴隷と呼んでいる。従業員だけでなく創業者ではない取締役も含めて。現代資本主義社会において非対称性を持続させる存在をそう蔑称している。数冊読んだのだけれど、口の悪いおっさんで、グダをまく酔っ払いのような文章を読み進めるのは辛かった。でも、反脆弱性の下巻は皮肉な言い回しや例えが少なくて読み易くなった。
自由とはなんだろうと改めて思う。答えなき死生観と向き合うくらいなら奴隷であることを選ぶ人もいるだろうけれど、そんな人のことは放っておいて絶えず自分自身のおぼつかない日々の営みと向き合うしかない。
シュタイナー教育は自由への教育とも言われている。
"本当に大切なこと、自分の成すべきことを選択し、実行していける人間をシュタイナーは『真に自由な人間』と呼んだ”
そのヴァルドルフ学校(シュタイナー学校)は農作業を重視し、自然の営みやそれとの関わりをエポック授業として中心に据えた。
そのことを知った時、救われたような気持ちになった。
今年もこれからも、たくさんの子供達で賑わう田畑(cul cul farm)であるように励みたい。
シュタイナー教育者養成コースみたいな特別なものを修了していなくても、自然の営みの中で試行錯誤四苦八苦しながらも楽しんでいる大人の姿をみた子供たちには伝わるだろうし、一緒に作業する中から自ずとつかみとって糧としていってくれるはず。
種を蒔く行為はそのまま自分の内面にも種を蒔いているような、そしてそれを慈しむ行為。
先日家族でビッグリトルファームを観た。カリフォルニアでオーガニック農園を始めた夫婦の映画。 冒頭のいきさつを解説するシーンで「構想を話しまくっていたら出資者が現れた」という一言があって、日本との経済の回り方の違いを感じた。ファーウェイが話題になった前後、中国のスタートアップの動きが面白いと思ったのだけれど、同じような資本の廻り方をしているのだろうか。クラファンの使い方も似ている。でも、正規日本代理店のないメーカーの商品を買うのはもうこりごり。
だけど、アフリカと中国の現状を聞くと興味は尽きません。在るもので何とかするアフリカのスタートアップと中国式経済の仕組みづくりが生み出す勢いは、野生の思考の顕現だろうか。
浮世と根源に想いを馳せながら、次はエーリッヒ・フロムを読みたい。
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